TOEICのリスニングは約45分間、100問の問題数があり、その中でもPart2は25問を占めます。他のパートと比べると決して多くはありませんが、英文も他と比べて短く、点数を獲得しやすいため、ここは落とせないポイントです。
とはいえ、何を意識して解いたらいいのか、どんな勉強をしたらいいのか、わからない方も多いと思います。そこで今回はこの疑問を解決すべく、Part2攻略のコツ、そして勉強の仕方を皆さんにお伝えします。
ポイント1 7W1Hを意識せよ
Part2の問題は簡単に言うと、質問に対する応答として適切なものを選ぶということです。中でもこの7W1Hを使った質問は非常に多く出題されます。つまり、この7W1Hの質問を克服すれば、Part2の中でも半分ほどは克服できたと言ってもいいでしょう。
ただ、5W1Hを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。確かに、そのほうがなじみがあり、よく聞く言葉です。5W1Hとは、
・When(いつ)
・Where(どこで)
・Who(誰が)
・Why(なぜ)
・What(何をした)
・How(どうやって)
と言われるもので、英文法では疑問詞疑問文やWh疑問文にあたる文法事項です。疑問詞とはこの5W1Hを指し、それを使った疑問文なので疑問詞疑問文と言われます。しかし、英語においてはこの5W1Hだけでは足りません。もちろんお気づきの方もいらっしゃると思いますが、残り2Wは
・Whose(誰の)
・Which(どっち、どの)
の2つです。ここまで覚えてもらえれば、スタート地点に立つことができます。
まずはこの疑問詞疑問文と言われる、7W1Hの表現を覚えましょう。
ポイント2 質問の始めの言葉を聞き逃さない
7W1Hを覚えて次に意識することは、質問の最初の言葉を聞き逃さないことです。最初の疑問詞さえ聞き取ることができれば、解答できる問題もあります。例を見てみましょう。まずは訳なしです。
- When will we know if our submission has been accepted?
(A) It was a very successful mission.
(B) I’ll call and ask.
(C) He accepted the job in Canada.
いかがでしょうか。この問題はWhenさえわかればわかる問題の典型例です。
では、質問はWhenだけを残して、日本語に訳して改めて見てみましょう。
- いつ?
(A) 大きな成功を収めた任務でした。
(B) 私が電話して問い合わせてみます。
(C) 彼はカナダでの仕事を引き受けました。
こうしてみてみると、答えは一目瞭然ですよね。答えは(B)です。
TOEICは、例えば「いつ?」という問いに対して、「5月です。」とストレートに答えを言ってくれることもあれば、上記の例題のように、間接的に答えを言ってくることもあます。実際は間接的な解答の方が多く見受けられますが、Part2では、質問の大枠さえわかれば解答できるので、疑問詞は重要なキーワードになります。ちなみに、この質問文の意味は「私たちの提出物が受理されたかどうかわかるのはいつですか?」でした。
もう1問例題を解いてみましょう。
- Where are the new employees going to work?
(A) They’re new staff members.
(B) Yes, after the orientation.
(C) In accounting.
今度はいかがでしょうか。今回も早速疑問詞だけを切り取って日本語訳をしてみましょう。
- どこ?
(A) 彼らは新しいスタッフです。
(B) ええ、オリエンテーションの後です。
(C) 経理部です。
こちらは比較的ストレートに答えを言ってくれているパターンです。答えは(C)ですね。ちなみに質問文の日本語は「新入社員はどこで働くんでしょうか?」でした。
このように、質問の始めの言葉をしっかりと聞き取ることで正答率がぐっと上がります。ここでは7W1Hを中心に解説しましたが、最初が助動詞の場合も多くあります。疑問詞がマスターできた方は助動詞の質問も練習しておきましょう。意識するだけで得点できるおいしいコツなので、必ず意識してください。
ポイント3 否定疑問文の答え方に惑わされない
否定疑問文とは、否定形を使用して疑問文を作り、「~ではないのですか?」と尋ねる表現です。日本語でも「明日レストランに行かないの?」など多用する表現ですよね。
ここでややこしいのは、英語と日本語の訳に相違があるということです。先程の質問に対して、「うん、行かない。」「いや、行くよ。」などと相槌と行動が逆になるのが日本語です。ここが皆さん躓くポイントです。日本語に訳して考えるから混乱するんです。
重要なことは、「否定疑問文の返答は英語で考える」ことです。何を言っているかは次の例を見ていただければ納得していただけるかと思います。
- Don’t you like sushi?
①Yes, I do.
②No, I don’t.
さぁ、皆さん、この問いに対して適切なのはどちらかすぐに判断がつくでしょうか。日本語で考えると以下のようになります。
- 寿司が好きじゃないの?
- うん(好きじゃないよ)。
- いや(好きだよ)。
日本語の相槌だけで考えてしまうと逆の表現になるのがわかるでしょうか。「好きじゃないの?と聞かれているから、うん、好きじゃないと答えるには、、、Yesだ!」と考えてしまいがちなのがこの否定疑問文の落とし穴です。実際には、
Yes, I do. ⇒ Yes, I like sushi. ⇒寿司が好き
No, I don’t. ⇒ No, I don’t like sushi. ⇒寿司が好きではない
となるのです。なので、相槌の方で考えるのではなく、結果好きなのか、好きじゃないのかで考えると、判断がつきやすくなってきます。
更に言えば、否定疑問文とは名ばかりで、実際には普通の疑問文と同じ考え方で差し支えありません。否定疑問文で聞かれたとしたら、普通の疑問文を思い浮かべてください。すると、
- Do you like sushi?
①Yes, I do. (はい、好きです。)
②No, I don’t. (いいえ、好きではありません。)
聞かれ方は違えど、答え方はこれで日本語と相違がなくなり、ミスも減るのです。否定疑問文でも、普通の疑問文でも、英語で考えたときには返答は全く同じになります。
では、以上に記載した2つのポイント「否定疑問文の返答は英語で考える」と、「否定疑問文は普通の疑問文で考える」を意識して、以下の例題を解いてみましょう。
- Didn’t you go camping on Saturday?
(A) No, it was fun.
(B) As soon as we join it.
(C) Yes, I had a good time.
Didn’t youと聞かれていますが、Did youと直しても返答に影響はありません。むしろDid youに直したほうが日本語に訳して考える方はすんなりいくでしょう。練習の際はゆっくり時間をかけて普通疑問文にも直してみてください。答え方に影響がないことがわかるはずです。
しかし否定疑問文で聞かれているので、そのことを念頭に置いた解説を訳つきでしていきます。
- Didn’t you go camping on Saturday? 「土曜日キャンプに行かなかったの?」
(A) No, (I didn’t.) it was fun.
⇒意外と軽視されがちなのが省略の考え方です。先程の例では基本の解説だったので省略はしていませんでしたが、実際の問題では括弧の部分が大体省略されています。それを考えると、日本語訳は「はい、(行きませんでした。)楽しかったです。」となり、矛盾が起きます。したがって(A)は誤答です。
(B) As soon as we join it.
⇒「私たちが参加したらすぐです」は文脈に沿ってないので×です。
(C) Yes, (I did.) I had a good time.
⇒これも省略を無視してはいけません。「いいえ、(行きました。)楽しかったです。」となり、この(C)が正解です。
まとめ
今回の内容をまとめると以下の通りです。
- 7W1Hを意識する
- 質問の始めの言葉は聞き逃さず、どの疑問詞あるいは助動詞で聞かれているのかを意識する
- 否定疑問文の答え方に惑わされず、迷ったら普通の疑問文に直して考える
TOEICのPart2は問題数は少なくないのにも関わらず、点数を上げやすく、どこから手を付けていいかわからない方はこのパートから対処するのが手っ取り早く、効率的です。
すぐに得点を上げるためにも、まずはPart2を本気で取り組んでみましょう。