インターネットの普及により、個人で飛行機のチケットやホテルを予約して、自分で旅行をプランニングする人が多くなりました。自分の好きなように旅を組み立てられるのは、ツアーとはまた違った大きな魅力ですね。
しかし、英語力に自信がなくて個人旅行に踏み切れない人や、個人旅行を計画したものの、現地での英会話に不安を感じる人もきっと多いことでしょう。
英語力を高めるためには、
リスニング(聞く力)
リーディング(読む力)
スピーキング(話す力)
ライティング(書く力)
これら4つの力が総合的に必要ですが、旅行英会話に関しては、特に重要なのはリスニングとスピーキングです。
今回は「個人で海外旅行をしたいけど、英会話に自信がない」そんなお悩みを解決すべく、独学でできる旅行英会話スキルアップのポイントを、このリスニングとスピーキングに絞ってご紹介します。
正しい文法できっちり話す必要はありません。そして会話の全部を完全に理解しようとしなくていいのです。いくつかのポイントを意識して英語学習を行えば、徐々に英語を話すことにも自信がつきます。少しの英語で海外旅行の楽しみはより大きくなりますよ。
①リスニング力を高めるために海外の映画やドラマを見る
リスニング力を高めるためには、繰り返し「聞くこと」が大切です。そこでおすすめしたいのが海外の映画やドラマを見ることです。
〈映画の場合〉
1回目:ストーリーを理解するために字幕付きで普通に見ます。
2回目:好きな作品を繰り返し見るのが良いでしょう。2回目は字幕無しで見ます。
3回目:字幕無しで見て、特に好きな場面は字幕でフレーズを確認し、書きとめることも有
効です。
とにかく英語の発音に慣れることが大切です。2回目は英語で書かれた「あらすじ」などを一度読んでから見るといいでしょう。読んだ文章に出てきた言葉が、映画を見たときに音となって入ってきて、単語がより覚えやすくなります。
映画はフレーズを字幕で確認できるのが大きなメリットです。聞き取れなかった文章はこまめに字幕で確認しましょう。「この単語が発音されるとこんな風に聞こえるのか」といった驚きがあるはずです。そうなるとまた記憶にも強く残ります。
〈海外ドラマの場合〉
海外ドラマも映画と同様、英語の発音に慣れるためにはとても有効です。ドラマの場合は毎回必ず同じ人物が登場しますので、シリーズを見ているうちに、それぞれの登場人物の話し方に慣れてきて、英語を聞く耳が鍛えられます。
最初から英語だけで理解しようと字幕無しで見るのも良いのですが、頑張りすぎると「ストーリーが分からなくて、つまらなくなって見るのをやめる」ということにもなりかねませんので、無理は禁物です。リスニング力を上げるには、あくまで「継続」が大切です。
〈海外の旅行記など〉
英語で世界各国を紹介するような番組は、地名の確認にもなりますし、旅行時の感情表現の参考にもなります。
また、現地を紹介するPRビデオなどは、短いものが多いので気軽に聞くことができますし、旅行気分も上がるので一石二鳥です。
〈英語のニュース〉
英語のニュースはスマホやアプリで聞くことができるので、隙間時間の学習に便利です。この場合も、映画の2回目と同様、あらかじめニュースの内容を読んでおくと、リスニングにも効果的です。
ニュースは内容がかなり専門的なこともありますので、事前に読む場合は日本語でも英語でもどちらでもかまいません。英語で読んでおくと、単語の発音の定着により効果的でしょう。
②スピーキング力を高めるためには中学生英語の復習とちょっとした発音の工夫
英文法が苦手な方も多いと思いますが、特に難しい文法を知らなくても、中学校で学習した英語で旅行英会話は十分スキルアップできます。
〈中学生英語の復習〉
中学校で習う英語は英語学習の基礎となっているのでとても大切です。英語学習でどこから手をつけたらいいのか分からない人は、まずは中学生の英語を復習しましょう。
今は書籍もたくさん出ていますし、インターネットのサイトや無料アプリも数多くあります。単元ごとにまとめられているものは勉強を進めやすくて便利です。
「旅行まで時間がないけど、とにかく何か勉強したい」という人は「5w1h」から復習することをおすすめします。
5w1hとは疑問詞で下記の6つです。
Who 誰が
When いつ
Where どこで
What 何を
Why なぜ
How どのように
中学1年生の英文法のメインともいえる「5w1h」。これはビジネス英語においても、意識して使うことでよりスムーズにコミュニケーションをとることができると言われていますが、旅行英会話の場合もよく使うフレーズです。
まずはこの「5w1h」を答えとセットで学習し、実践で使える語彙力も合わせて増やしていきましょう。
〈ちょっとした発音の工夫〉
英語には日本語にない発音もたくさんあり、発音の難しさで英語に苦手意識を持つ方も多いです。でも少しのコツで相手が自分の英語をより理解してくれることがあります。
例えば、fの発音です。これは私の体験ですが、動物の話をしているときに、何度「フォックス」(fox=キツネ)と言っても理解してもらえなかったけれど、fの発音を意識して発音すると理解してもらえたということがありました。
「フォ」(実際にはファとフォの間のような音)と唇をすぼめてではなく、ほとんど口を開けず、やや上の歯を下唇に乗せる感じで発音しました。
「どちらの発音も大して違わないのでは?」と日本人なら感じてしまうぐらいの違いですが、やはり、子供の頃から聞き慣れている音というのがあり、ネイティブスピーカーにとっては大きな差があります。
他にも
LとR→Lの時は日本語の「ラリルレロ」を発するときより、舌の位置をもう少し前へ、前歯 の裏側に付けます。
Rは日本語の「ラリルレロ」を発するときより、舌の位置をもう少し後ろに引っ込め ます。
BとV→Bは日本語のバ行と同じです。
Vは上の歯を下唇に軽く乗せます。
2つ同時に改善しなくても、どちらか一方(例えばLとRのLだけを特に意識する)から始めてみましょう。
〈ちょっとした発音の工夫 その練習方法〉
リスニング同様、こちらも繰り返し練習して、口が慣れることが必要です。
・いくつかの単語を独り言のように繰り返す
(例)fの場合→fan、 first、 fine、 find この4つをfを意識して何度も繰り返し言います。
・英語の歌を歌う
好きな歌なら歌いやすいですし、楽しく練習できますね。
・英語の早口言葉を練習する
(例)
Red lorry, yellow lorry. (赤い大型トラック、黄色い大型トラック)
Freshly fried fresh flesh.(油で揚げたての新鮮な肉)
He threw three free throws.(彼はフリースローを3回投げた)
きちんと英語の発音を意識しながら繰り返し、その発音の感覚を口が覚えるまで言いましょう。
英語の発音は奥が深いので、あまりに発音を意識しすぎると、話すことをためらってしまうことにもなりかねません。旅行英会話は「物怖じせずに話せるマインド」が大切ですので、完璧を目指さず、まずは少しずつ練習することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「ここを少し意識すれば、旅行英会話は大きく改善する」実体験をもとにそんなポイントを織り交ぜながらご紹介しました。
語学学習は継続することが大切ですが、それでも少しの工夫と学習で、旅行英会話のスキルは向上します。海外旅行では現地の人と難しい話をするわけではありませんので、気負わなくて大丈夫です。
間違っても恥ずかしいことではありません。話すことを怖がらず、自分の英語がどれだけ通じるかを試せるいい機会、そんな気持ちで、是非英語も旅行も楽しんでください。